今日は仕事で出会った陽菜さんとの初デート。
デートといっていいかわからないが、僕は気になる人としか二人でご飯には行かない。
そんな僕にとっては、大事な初デートだった。
陽菜さんとは、都内の事業所のメンバーが集まる会議で出会った。
駅までの帰りが一緒になり、次の日曜日にお寿司を食べに行くことになった。
約束の日曜日。
初デートは、飲みに行くよりも明るいうちに気楽にランチ。
最近はそう決めている。
レストランは新宿のヒルトン東京を選んだ。
ホテル内のレストランは雰囲気やサービスに安心感がある。
老舗のヒルトンは外資系だが、和食も美味しい。
ロビーに着いて、陽菜さんを探した。
どこにいるのだろうと考えていると、
ランチブッフェで賑わうロビーラウンジの横から黒いワンピースの女性が駆け足でこちらに向かってきた。
陽菜「お待たせしました」
仕事の時はパンツスーツ姿で髪も結んでいた。
今日はストレートのロングヘアに黒いワンピース。ぐっと色気が増していた。
僕「綺麗すぎてびっくりしました。雰囲気全然違いますね。」
思わず口から出てしまった。
陽菜「えーありがとうございます。」
変わらず素直で話しやすい。自然な笑顔がとても魅力的だ。
エレベーターで2階へ。
2階のダイニングフロアは、ラグジュアリーながら緊張しない開放的な空気感がある。
和食、中華、グリルとバーラウンジがワンフロアで楽しめる斬新なスタイル。
お目当ての寿司カウンターは一番奥。
レセプションのスタッフに案内されながら、一歩一歩、中華のテーブル席やガラス張りのグリルカウンターを抜けていく。
席までのほんの数分の時間さえ、気分を次第に盛り上げてくれる。
そして、ライティングが映えるステージ感のある寿司カウンターへ。

お客さんとシェフが談笑しながら食事を楽しんでいる。
期待が膨らみ、思わず二人で目を合わせて微笑んでしまった。
個室やテーブル席よりも横並びのカウンターは緊張感が和らぐ。
目の前で握られる新鮮な食材や、周りの会話、赤酢の爽やかな香りが五感を刺激する。
会話の途中にふと目が合うと、彼女の幸せそうな笑顔に思わず僕まで笑ってしまう。
ゆっくりと一貫一貫出されるにぎりがなんとも心地よい。

先付けから最後の甘味まで。
1時間かけて楽しむ休日のランチは至福そのものだ。
楽しい時間もあっという間。
せっかくのいい天気だから、新宿駅まで一緒に歩くことにした。
多くの人が行きかう休日の新宿。
ランチの余韻に浸りながら他愛もない話をしながら帰路につく。

陽菜「ありがとう~」「楽しかったです!」
僕 「こちらこそ!ありがとう」「こんなに面白い人だとは思わなかった」
陽菜「えーそれ褒めてる?」
僕 「褒めてる!ほんとに楽しかった!」「また遊ぼう」
改札でお礼を言って、それぞれの電車へ。
次のデートはいつ誘おうか。
初デートに誘うよりも、2回目のデートに誘う方が勇気がいる。
早くまた会いたい気持ちを抑え、連絡のタイミングを考えている。
ヒルトン東京は、世界展開を続けるホテルチェーン、ヒルトン・ホテルズ&リゾーツのホテルの一つとして1963年6月20日に永田町にオープン。日本で初めての外資系ホテルとして誕生。1984年9月1日に現在の新宿副都心に移転、新宿副都心の一角、都庁にほど近く、隣に新宿中央公園という恵まれた環境にあり、充実した施設と、“ヒルトンスタンダード”といわれる高水準のサービスを誇るファーストクラスのホテルです。8階より38階までが客室となり、スイートを含む全830室の客室は、国際的ながらも日本の情緒をインテリアに取り入れ、全室有線/無線インターネットアクセスが完備されています。また、館内には、日本料理「十二颯」、中国料理「王朝」、「メトロポリタングリル」、バー&ラウンジZATTAを擁するダイニングフロアTSUNOHAZU、「マーブルラウンジ」、英国風「セント・ジョージ バー」を含む6つのレストラン&バーを備えています。その他、正餐600名、立食900名まで収容可能な大宴会場と小中宴会・会議室計21室、ウェディング・チャペル、室内プール、ジム、サウナ、屋外テニスコートなどを完備したフィットネスセンター、並びに地下駐車場など、多目的ホテルとして十分な機能を備えています。